ふね雑学ブログ

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Dr. Stoneにも登場!ステルス艦の仕組みについて

先週のジャンプのDr.Stoneで、主人公の千空たちがステルス艦のクラフトにトライしていましたね!結局ステルス性能がイマイチだったので別の方法を取りましたが、さすがの千空でも軍事機密レベルの造船はできなかったようですね。

ということで、今回はステルス艦の仕組みについて、簡単に解説していきたいと思います。

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Mark Harkin - K31 HSwMS Visby Uploaded by tm

K31 HSwMS Visby, a Visby-class Corvette of the Swedish Navy

「こっそり」を意味するステルスは、敵から探知されづらくする軍事技術の意味でよく使われます。

ステルス性能を実現するための要素はいくつかありますが、索敵の最も有効な手段はレーダーなので、レーダーに映らない船体を作ればステルス航行できるようになります。

そもそもレーダーは電波を発射し、対象物に当たった反射波を捕捉して対象物の存在を確認する仕組みになっています。レーダーを掻い潜る手っ取り早い方法は、飛んできたレーダー波をあらぬ方向に反射させる形状にすることです。(他には電波を吸収する材料を利用する方法などもあります。)

そのために取り入れられたのが、タンブルホームという船型です。これは舷側を甲板に向かって内傾させたもので、上部構造物も上方ほど尖らせることで、レーダー反射板を空に逃がして探知されづらくしています。

もとは帆船のマストを支える横静索(シュラウド)をまっすぐ舷側に固定するために考案された船型ですが、全く別の用途に使われています。

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French battleship Jauréguiberry of 1891, showing some tumblehome

電波をあらぬ方向に反射させるという、言ってしまえば案外単純な仕組みなのですが、ステルス艦のカクカクで近未来的なフォルムがとてもかっこいいと感じるのは筆者だけでしょうか。

ズムウォルト級ミサイル駆逐艦インディペンデンス級沿海域戦闘艦

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先進型閉囲マスト/センサーを艦橋前後に有するサン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」

まとめ

・ステルス艦の多くは舷側や上部構造物を内側に傾斜させてレーダー波を空に向かって反射せている

・このような船型をタンブルホームという

・もともとはステルス機能とは別の用途で使われた帆船の船型だった

 

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