言われてみれば… 船の窓が丸い理由
建物の窓はほとんどが四角ですが、船では丸い窓がよく使われます。実は、これには科学的な理由があるんです。
波によるねじれやゆがみ
船体に穴を開けた場合、波によるねじれやゆがみの力は、穴の滑らかでない箇所(四角形の窓など)に集中してしまい、そこから裂け目が生じやすくなります。このことから、波の影響を受けてたわむ場所や、窓が壊れた場合に海水が入る可能性がある甲板下の船窓には円形の窓が使われます。
船舶構造規則
船舶構造規則では、船舶の窓を開口面積や設置場所などで「窓」「船窓」「天窓」の3種類に分けています。また、長方形の窓は角に十分な丸みをつけることや、上甲板より下の外板に取り付ける船窓は波浪による荷重に対し十分な強度を持つ丸窓とすることなどが定められています。
「鯨が入る」
船に空調設備がない時代、帆船では船窓を開けたまま寝ていると、風を受ける方向を変えたときに船の傾きが逆になり、海水が船室に入ってずぶ濡れになることがありました。このことを「鯨が入る」や「鯨が飛び込む」などと言いました。