なんのためにある?「バルバスバウ」
船の船首部には、下記の画像のようにコブのようなものが着いていることが多く、これを「バルバスバウ」といいます。これは一体何のためについているのでしょうか。
船の抵抗
船が進むときに、自ら受ける抵抗は、水面に波を作ることによる造波抵抗と、水の粘性による摩擦抵抗や造渦抵抗に大別できます。
- 造波抵抗は、波を起こすエネルギーが船の走行に影響を及ぼすもので、抵抗の大きさは船体の形状で決まります。
- 摩擦抵抗は船体と水が擦れることで発生する抵抗で、水中の船体の表面積に比例して大きくなります。
- 造渦抵抗は、船体表面から離れた水が後方で渦を作り、圧力が抵抗して後ろ向きに引っ張る力が発生することによるものです。
バルバスバウの役割
船のスピードは造渦抵抗をへらすことで上げられます。水線長に対して幅の狭い船にすれば抵抗が減りますが、積載能力が落ちてしまいます。そこで同じ船長で水線長を長くするのと同じ効果を狙って船主水面下に球場の突起を付けたのが、バルバスバウです。突起が作る波と船主が作った波同士が干渉して船首の波を消す効果もあります。
珍しいバウ
世界のクルーズ船には珍しい形の船首を持つものもあります。セレブリティクルーズの〈セレブリティ・エイペックス〉は「パラボリック・ウルトラバウ」と称する革新的な設計の船首のおかげで,摩擦抵抗と動揺を低減し,高レベルの快適さと燃料効率の良さを実現しています。