普段何気なく着ている船にまつわるファッション3選
二十四節気では1月20日から2月3日までの15日間を「大寒」といい、一年で一番寒い季節を意味します。つまり、この記事を書いている1月29日は大寒真っただ中!昨日も関東で雪が降りニュースなどで話題になりました。
そんな寒い中、街中を歩いている人の多くはコートを着ています。普段何気なく来ているオシャレなデザインのコートの多くが、実は船にまつわるファッションだということは知っていましたか?
今回は船にまつわるファッション3選をご紹介していきます。
1 ピーコート
ピーコートは15世紀ごろのオランダで漁師や船乗りが着ていた「ピイヤッケル」が語源とされています。粗い毛織物(ピイ)の厚手の防寒上着でした。それが軍服として採用され、後に一般のファッションとして普及しました。
船上の厳しい気象条件化で使用するため、風向きにより左右どちらにでも前合わせを変えることができるような仕様になっています。
19世紀末からイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していました。また、少なくとも1720年代のアメリカの新聞には「pea jacket」という単語を見ることができたようです。
2 ダッフルコート
ダッフルコートは北欧の漁師の衣服がルーツです。フード付きの防寒コートで、使用されている起毛仕上げの厚手の二重綾織りのダッフル生地(紡毛織物、ウール生地)の原産地、ベルギーのアントウェルペン近郊の都市デュフェル(英語名ダッフル)に名称が由来します。
第二次世界大戦時にイギリス海軍で防寒着として広く使用され、その余剰在庫品が大戦後に市場に出回ったことで一般化しました。
3 ブレザー
ブレザーは形状の違いによって、「シングルブレスト」と「ダブルブレスト」の2種類に分かれます。シングルブレストは日本の学生服にも幅広く採用されていますが、ダブルブレストは見かけることが比較的少ないように思います。
ダブルブレストはイギリス海軍の軍艦〈ブレザー〉号が制服にダブルの金ボタンのジャケットを揃えたのが始まりです。
シングルブレストはケンブリッジ大学とオックスフォード大学の対抗レガッタレースで、ケンブリッジ大学が燃えるような(Blazer)真紅のジャケットを揃えたことに由来します。
まとめ
・普段着ている衣服の中には船にまつわるファッションがある
・主なものは「ピーコート」、「ダッフルコート」、「ブレザー」
・ピーコートは風向きにより、左右どちらでも前合わせにできるような仕組みになっている