ふね雑学ブログ

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航海に欠かせなかった磁気コンパス。発明されたのはいつか知っていますか?

iPhoneのコンパス機能が1年で一番多く使われるのはおそらく節分の日ではないでしょうか。特別な日でない限り、多くの人は日頃から方角を気にすることはないと思いますが、昔の船乗りにとって方角を知ることは非常に重要な事でした。

今回は、方角を知るために使われていた磁気コンパスの起源にについて解説していきます。

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Photo by Jametlene Reskp on Unsplash

磁気コンパスの発明

磁気コンパス(羅針盤)は古代中国の四大発明のひとつです。火薬、紙、活版印刷、そして羅針盤ですね。紀元前、中国ではすでに「磁石は南北を指す」ことが知られていたようです。すごい!「司南之杓(しなんのしゃく)」という、レンゲの形をした磁石を方位盤の上に載せたものが発明されました。これを発展させたものが風水で使われる「羅盤」で、ヨーロッパに伝わった後、船で使用できるように改良されて磁気コンパスになりました。

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江戸時代には日本へ

日本においては、羅針盤は和磁石や船磁石と呼ばれ、江戸時代の中期ごろから広く普及しました。当時は年数や時刻、方角等を表すのに十二支が用いられていたため、北を子として右回りに十二支を当て、北東を丑寅(艮:うしとら)、東を卯、南東を辰巳(巽:たつみ)、南を午、南西を未申(坤:ひつじさる)、西を酉、北西を戌亥(乾:いぬい)としました。

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現代にも残る十二支の方角

江戸時代、深川にあった遊里(遊郭のこと)を辰巳の里といいましたが、江戸城の南東にあったことからこう呼ばれるようになりました。現在、国際水泳場のある江東区辰巳もこれを受け継いで命名されました。

また、桃太郎に付いて鬼ヶ島に乗り込んだ3匹の動物はサル、イヌ、キジですが、これは鬼門である丑寅の方角から見て反対側にあたる裏鬼門に申、酉、戌があることに由来します。

船の進行方向を表す取舵、面舵も十二支の方角が使われています。これについては以下の記事で触れています。

funeken-taisaku.hatenablog.com

 

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