今はあまり使われていませんが、その昔は身体のいろんな部分を基準にした身体尺が日常的に使われていました。本日は有名な身体尺を3つご紹介します。
1 尋(ひろ)
尋は、大人が両手を一杯に広げた長さで、ひとひろげ、ふたひろげ、などと測ったことに由来する身体尺です。
1尋は6尺で約1.8mに相当しますが、江戸時代の1尋は5尺であったり6尺であったりとまちまちでした。ただもっぱら海で用いられていた関係で、明治5年の太政官布告で6尺(1.818m)と定められました。
2 あた
「あた」は、親指と人差指を広げたときの両指先の間の長さを表します。箸について、使いやすい長さの目安は「一あた半」とされます。1あたは、ほぼ5寸(=15センチ)で、尺取り虫の動きを二回すれば1尺となります。自分のあたの長さを覚えておくと、周りに測る道具がないときに便利です。
3 つえ
「つえ」は頭のてっぺんからかかとまでの長さを表します。これは「あた」の10倍(5尺≒150cm)で、かつての日本人のほぼ平均的な身長でした。だから、大の字に寝ると5尺×5尺。そして、それぞれに1尺ずつ余裕を持たせた6尺×6尺(=1坪)が、住空間の単位だったのです。
身体尺は明治時代の尺貫法の廃止とともに廃れていきましたが、 糸などの長さを図るときに重宝するため、現在では、漁師さんだけでなく釣りの世界でも「ウキ下○尋」などと広く使われています。
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