なぜ日本の船舶の名前には「〇〇丸」が多いのか
〈日本丸〉〈海王丸〉〈咸臨丸〉〈ふじ丸〉〈さるびあ丸〉〈おけさ丸〉・・・
日本の船舶にはとにかく名前に「丸」とつくことが多いです。外国でも、親しみを込めて日本の船舶のことをマルシップと呼ばれています。
では、船名に丸をつける慣習はどのように始まったのでしょうか?
法律で決められていた
船名に丸をつける慣習の始まりについては諸説ありますが、その習慣は古くからありました。1900年に制定された船舶法取扱手続きには、「船舶の名称には、なるべくその末尾に丸の字をつけなければならない。」とあり、これが明治以降、日本船の船名に丸がつくようになった大きな理由と考えられています。
皮肉を込めた「マルシップ」
先程、外国では親しみを込めて日本船を「マルシップ」と呼ぶことがある、と書きましたが、最近は多少皮肉を込めて「マルシップ」と呼ばれるものが出てきました。それは、日本船の幹部船員を乗船させた日本籍船を一旦外国に貸し出し、その地で賃金の安い外国人船員を乗船させた上で、再び日本が借り上げるチャーターバック方式のことです。外国人船員で運航されているのにマルシップのままということで、こう呼ばれるようになりました。
まとめ
・日本船の名前に丸がついていることが多い理由の一つに、明治時代の法律がある
・外国では親しみを込めて日本船をマルシップと呼ぶことがある
・チャーターバック方式で運航している船を皮肉ってマルシップと呼ぶことも・・・
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